House M #216
宮崎県宮崎市の住宅
1階はガレージと玄関と多目的スペースであり、居住スペースは全て2階に配置し、全周をオーバーハングさせたピロティ建築ともいえる住宅。
オーバーハングさせた理由は1階と2階のボリュームの差でありそれを利用したデザインであるといえる。頭でっかちのピロティ建築は文句なしに格好いいのだ。
しかし格好いいだけではない。このボリュームの差で生まれた空間には色んなメリットがある。
移動の際に濡れないとか、雨が当たらないから壁が汚れにくいとか、室外機が長持するとか、取ってつけたような庇が必要ないとか、、、
そしてこの建築のデザインのポイントでもある2階部分を覆うルーバー。ルーバーを設けた理由は2つ。
1つは、外部からの目線のカット。
もう1つは2階の窓達をそれぞれの場所にそれぞれのサイズでバラバラに配置してもルーバーがあることでファサードのデザインをコントロールできるから。
もし、ルーバーがない前提で窓を考えるとなると、これが非常に難しい。というのは、今回の屋根の形状は中央を谷とした勾配屋根としているのだが、これはそれぞれの部屋に適した天井高さから導き出したカタチである。
つまり高さが必要なとこは高く、その逆は低くというように。部屋の並びと生活動線とそれぞれの高さと屋根の形状を同時に考えての最適解だと思っている。
もし、屋根を水平にして最大公約数的に高さを決めたならば無駄なボリュームだらけになる。しかし屋根が水平だと窓の配置はデザイン的に楽である。
どちらでいくかを考えた結果M字の屋根としたわけだ。House Mの誕生である。