KIN HOUSE #012
宮崎県宮崎市の住宅
8匹のイングリッシュブルドッグのための中庭がある住宅。
ブルドッグが網戸に悪さをするので中庭に面する窓には網戸がない。
網戸がないのは設計側からすると楽だし嬉しい。
楽というのは網戸の制作範囲を検討せずにサッシュのサイズや割り付けを行えるからであり、嬉しいというのはズバリ美しく見えるから。
便利なものは往々にして美の邪魔をするものである。
網戸、エアコン、ソーラーパネル、換気扇、キーレスドア、引き込み盤などなど。
桂離宮や銀閣寺にもしこれらがあったらマイナスポイントになる。
しかし住宅は鑑賞するものではなく日々住むもの。美とか言ってられない。
しかしこのマイナスポイントはできるだけプラスに変えれるように工夫はしたいところ。
そういうことの集積が完成度を左右するので地味な作業だけどとても重要である。
話が逸れたが、この住宅の特徴は中庭をコの字型に囲んだコートハウス型であるが、屋根の高さをそれぞれの部屋の要望や外部の視線や日照条件に応じて高さを変えているところ。平面形状も直角だけで構成されていないので、水平方向も垂直方向も勾配があり、特徴的なフォルムとなった。