スケッチは大事


ジェットストリームの時刻ですが、只今吉井和哉のニューアルバムを聞きながらぼちぼちです。
スケッチがうまいひとをとても尊敬します。
昔勤めていた事務所の所長は、
テーブル向かいの施主さんに対して、つまりこちら側からいうと天地を逆さまに、すらすらとスケッチパースを描いていたものでした。

僕らの仕事では、スケッチを描く事がよくあります。
それは、プランスタディのとき。それは、スタッフとの打合せのとき。施主さんへの意思伝達のとき。
現場監督さんへの意思伝達のとき。
などなど。

立体的に書かれた情報は、一目で理解しやすいからです。
それは複雑な建築であればあるほど、そうだと思います。

作業の進め方は、十人十色だと思いますし、かつ同じ人でもプロジェクトごとにも異なると思いますが、僕らの場合もやはりそうで、平面から構築していく場合もあれば、立体から構築していくこともあるわけです。

前者の場合でも、すべて平面のみを考えながらの作業ではありません。
平面のその線を書く最中にその壁の高さや、ヴォリューム、繋がりや、法的なことなどを同時進行で考えながら、描いていくわけです。
後者の場合、なんというか、カタチ優先。もしくは、ひらめきをそのままに。。
右脳という感じでしょうか。
これは、施主さんがごくごくまれですが、こんな感じで!と、渡される消点のないスケッチ”大会”とはちょっと違います。
ある程度の根拠のあるスケッチです。
ここらあたりに、リビングで、ここらあたりにテラスで、それがこんな感じになればいいなぁとか、多少なりとも裏付けがあるのです。
そこから、平面にフィードバックです。
先日映画でも観たフランクゲーリーなんかは、前者にも後者にも当てはまらず、いきなりくしゃくしゃと厚紙みたいなもので模型をつくりなさるわけです。
そしてその模型をある特殊な機械でxyz座標をアウトプットし、図面にフィードバックしていくのだそうです
(映画観ればその様子が、よくわかります。一体あの機械いくらすんのやろ?)。

で、うちもケースバイケースでその設計プロセスは異なってくるわけです。
どのプロセスが一番よいというのは、ないと思います。
でもその要所では、必ずスケッチが役に立つわけであり、そのスケッチをもっと確実にしたものが”スタディ模型”となるのではないでしょうか。
もしくはCGとか。

画像は、以前うちで手がけたリナトクーパという住宅の、スケッチと完成形です。