gyakuni

「逆に」ってフレーズをものすごく使ってる自分に気付いた。

「逆にモーガルにするとか?」

「逆にフラットにするとか?」

「逆に仕上無しとか?」

「逆に張んないとか?」

「逆にやめちゃうとか?」

コストのことで立ち返る時によく使う気がする。
一旦提示してそれを気に入ってもらった後に、それよりも安価な素材や手段を再提案することはなかなか難しいこと。
さんざんこれを薦められてあるときやっぱこっちって言われると投げやりだと感じられても確かにしょうがない。
削らなきゃいけないときに案を考えるのはものすごくエネルギーを使う。
それは削られた感を出さない案を考えなければいけないからだ。

でもたまにきっかけはコストなんだけど、結果、原案よりむしろよい案が生まれる事もある。
それをクライアントと共感できたときは心底ウレシイ。
それまで打合せしてきたメーカ−やブレインの方々にはその材料を使わなくなったりその方法を使わなくなったりするわけなので、非常に申し訳ないが。

案を一定期間寝かせるとその案のポテンシャルのレベルが明確になるときがある。
でも大抵は時間がないのでなかなか寝かせる事ができない。
随分進んだのちに、やっぱり、となると、後戻りするわけなので労力がかかる、ま、それはいいのだけど、クライアントへの伝え方が少々難しい。
え?今頃?となったりするわけだ。

1週間前から準備万端で、明日プレゼンというときにその1週間寝かされた案をふとした時間に見ると、んんん、となり、バタバタバタと別の案に変わることもあるわけだ。
勿論プレゼンの質は1週間前に準備されていたそれと比べると落ちることになる。
がしかし、案自体は寝かせた分良い結果になっている(と思っている)。

デザインの過程というものは本当にいろんなアプローチがある。

「逆に」を多用することがいいことなのかどうなのかはわからないが、ひらめいた事はなんでも口にするようにしてるのでたまに(いやかなり)どうしようもない案を発言することもあるが、その会話の続きからまた新たな案が出てくるものである。

もし自分が何かブランド立ち上げるならばそのブランド名は「gyakuni」かもしれない。