中村家住宅


沖縄県北中城にある「中村家住宅」を見てきた。

あまりの素敵さにみなさんに伝えたく、撮った写真のほぼ全てをアップしてみます。
多いですかなり。約280年前の代表的な沖縄の農家住宅です。
アプローチでやられちゃったね。石垣の高さが絶妙。突き当って右に折れて左が門扉となる。


この目隠しの役割をする塀をヒンプンと言うそうな。
これも絶妙な高さ。奥に見える板張りの棟は高倉と言うそうな。
農機具等が置かれてあった。板張りが斜めになってるのはねずみ返し。
このヒンプンとねずみ返しの斜めの板壁のマッチングを考えて設計したのかどうなのかわからんけど、バランスが最高にいいね。


そして門扉をくぐるとこんな感じで中庭にアプローチされ、正面にウフヤと言われる母屋、右手がアサギと言われる離れ、写真では見えないけど左手にさっきの高倉がある。
この中庭空間は7m四方くらいだったかな。


で、振り向くとこんな感じ。南を向いている状態。ヒンプンの高さがいいね。


もう一度振り返ると、ウフヤの中のイチバンザと言われる客間。ネーミングがいいね。


でその隣の、ニバンザと言われる仏間。


そうきたら、次はサンバンザと言われる居間。


ニバンザから中庭を眺める。これがたまらなくいい。居室は暗くてもいい!と思ったりする。


イチバンザの北の裏側になる部屋、その名もウラザ。寝室やね。


振り返ると、こんな感じ。このウラザは北東角に位置するので開口部から見える景色は陽の当たった対象物を見ることになるね。
左奥の障子は引戸ではなく、扉式の障子。ひたすら開放したかったんだろね。


また中庭に戻って来て今度はアサギ(離れ座敷)を正面に見る。右手がヒンプン。このウフヤ(母屋)とアサギ(離れ)の繋げ方がいい。


近寄って振り返ってみた感じ。高倉はこの中庭への外部からの視線を遮る役割のある位置にあるともいえる。


左にもう一間、右手は縁側となる。


あがって振り返って中庭を見る。中庭は見えるが、ウフヤ(母屋)は見切れている。視線のコントロールやね。左の枝木みたいなんが気になる。


粋な支え方。


アサギ(離れ)から、南の縁側方向を見る。こうやって部屋の至る所の開口から緑が見えるがとてもいいし、それがあるから部屋の暗さも好きになれるという感じやね。


アサギの北側方向にある庭。左手がイチバンザということ。
つまり、母屋と離れは中庭とこの裏庭の2つで繋がっている。


反対から見ると、こういうこと。くびれのぶぶんで繋がっているのがよくわかる。


今度はサンバンザの前の板の間から見る。ニバンザ、イチバンザの先の開口の先に陽光に満ちた石垣と庭、右手に中庭。
もうゾクゾクするね。


さらに後ずさりして同じ方向を見たところ。


また中庭に戻ってイチバンザの前に立ち、高倉の方を見る。約1.8mくらいの深い軒。
ウフヤと高倉の間を通って奥に行くとメーヌヤーと言われる家畜小屋がある。


その家畜小屋。


振り返るとこんな感じ。左手が台所、正面に高倉、右が多分井戸。後に家畜小屋。
ここは実用的な中庭というわけだ。迎え入れる中庭とこの実用的中庭を高倉でさりげなく仕切っている。


右手に家畜小屋、正面に井戸。左手はトゥングワと言われる台所。
完璧な家事動線だ。家事という言葉適切かどうかはわかんないけど。


で、これが台所。ロフト付き。ずっと奥にサンバンザ、ニバンザ、、と見える。


そしてこれはフールと言われる豚小屋。


裏庭の丘に登って上から。


下に降りて来て、離れの南の縁側。奥にはヒンプンが見えるね。
つまり、門扉をくぐらずとも、離れにアクセスできるというわけだ。


いやー、心底ほれぼれする住宅だった。今まで見てきた中で一番かもしれない。
もっと早く出会えてればよかったなぁ。
みなさんも是非!