白系外壁
Remisawa house #197
宮崎県宮崎市の住宅(リノベーション)
「ここはパン工房ですか?」
「ここは温泉ですか?」
往来する方に時々そう聞かれたりするそうだ。
煙突のようなへんてこりんな突起物があるからだろう。
これは離れである。3帖ほどの小さな小さな離れである。
用途は限定していない。
某有名ハウスメーカーの住宅のリノベーションだった。
特殊な構造なのでどこでもここでもは壁を撤去することはできない。
注意しながら丁寧に進めた。
特に3部屋続き間を1部屋のLDKに変えた部分については、一般的な在来工法であれば垂れ壁を撤去しそこには梁が見えてくるのだが、
この住宅はそうではない。垂れ壁は構造体の一部であるので、撤去できない。
できないならば、それを逆手に取ったデザインにすればいい。
これがリノベーションの醍醐味だ。
意図していない要素が空間を特別なものに変える。偶然の出会いみたいなことだ。
偶然だからそこに理由もいらない。
南道路である敷地故に、南に掃き出し窓があるが、庭木がなくなったので視線を遮蔽するものがなくなり中が丸見えだ。
丸見えでもいいよっていう住み手ならばいいけど、それはなかなかない。
なので壁を張り巡らせてコートハウス型にした。
既存の1間間口の掃き出しの引き違いのサッシを木製の引き込みの型引き窓に変えた。
引き込まれると、室内からはそこには何もなくなる。内と外が一瞬で繋がり一体空間になるのだ。
入居後、コートのデッキ部分にテントを張って家キャンプをよくしていらっしゃる。
白い壁にプロジェクター投影してアウトドアシネマも楽しんでらっしゃる。
CandY 透明体育館きらきら/国際こども・せいねん劇場みやざき #179
宮崎県宮崎市の体育館
園児のための体育館でもあり、コンテンポラリーダンスカンパニーんまつーポスの活動拠点としての劇場でもある建築。
1Fにはホールの他に小さなギャラリーも併設、2Fは事務所や準備室などが配置される。
剥き出しの構造体と黄色いフィルムが貼られたガラスから妖艶な光が降り注ぐホールは、シックなダークグレーの床と真っ黒な天井で構成され、
園児のための空間とはおよそかけ離れた空気感が漂う。このかけ離れた感じが、んまつーポスという集団にはちょうど良いのだ。
girihouse #184
宮崎県宮崎市の住宅
街区道路のちょうど突き当たりに位置するアイストップともなる建築でもあるので、そのファサードには注意を払った。
背景の山の緑と白壁とレッドシダーと黒フレームの窓の組み合わせ。
ずっと飽きのこない組み合わせである。
LITTLE HOUSE #154
宮崎県宮崎市の住宅
30坪の小さな家には工房とショップ、2階には秘密の部屋まである。
隅切りした壁に水色のアンニュイなドアがアクセントになっている。
隅切りしたのはデザインだけが理由ではない。
敷地内での車の切り返しに役立つからだ。
敷地に余裕がある時にはよっぽどの理由がない限りこんなふうに隅を切ったりしないだろう。
施工も面倒になるし内部の収まり具合も考えなきゃいけない。なのであるとすればデザインだけが理由の気がする。
条件が複数重なった時にこそう生まれるデザインがるがまさにこの部分のことだと思う。
library house #146
宮崎県延岡市の住宅
大きな片流れの屋根で優しく包んだおおらかな家には小さな図書室と中庭がある。
中庭に面する北面の壁は閉じることにした。リビングから中庭を介した純粋な背景としての壁にした。
その壁は雛壇状の花壇として日陰に強いシダ植物を拵えた。
2階には個室と専用テラス付きの図書室がある。この家の特等席だ。
Twelve #136
宮崎県都城市の住宅
リニアな吹抜空間の天井にはシーリングファンが1つぶら下がっているだけで他には何もない。
とてもシンプルでいい表情の空間だ。しかしこれはありそうでない光景である。
というのは、一般的には天井には照明器具がいくつかあるからだ。例えばダウンライトというものである。
悪くはないが、あまり数が多かったり径が大きかったりすると天井がごちゃごちゃする。
天井がごちゃごちゃすると、全体が引き締まらない。
「なんか空間がごちゃついてるんだけどなんでやろ?」
みたいなことになるけども、原因がわからないということになりがちである。
原因はダウンライトだったりするのだ。
じゃあ照明はどこにあるのかというと、カーテンボックスの上部にある。端から端まで通しの間接照明というやつだ。
壁と天井を照らす。これで十分。
Bianco grigio #114
宮崎県宮崎市の住宅
白くて四角い家が好きだということと、必要な部屋だけを教えてもらい、あとは施主さんの人となりと土地の持つ条件と予算によってプランが決まっていった。
吹抜の大きな開口の先には芝庭とその先には遠近の山並みが続く。ガラス開口よりも外壁開口を小さくしたのは、全体に対する開口のバランスとテラスをアルコーブ
っぽくしたかったため。インナーテラスという言葉を誰が言い出したかは知らないけど、俗にいうとそんな感じのスペースである。そこにブランコもある。
階段は上下を繋ぐ動線だけの役割とせずに、丸くして吹抜空間に味付けした。
Art bien #112
宮崎県宮崎市の住宅+店舗
「直線的」「箱」「深い軒」これらが要望されていた主なキーワードだった。
隣接する森を取り込むようなコートハウス型の住宅。
壁のラインは境界線から相対する境界線まで一直線で繋がっており、かつほぼ全ての壁は角度が
振られているので直角や平行がほとんどないような構成となっている。
なぜそんな面倒くさいことになったのか?必要な広さや奥行きを確保していって
繋げたり離したり積み上げたり削ったり揃えたり通したりした結果である。
変形四角形のコート(庭)を変形四角形の部屋部屋が深い軒を介してパズルのように取り囲んでいる。
切り取られた空からは森の鳥の囀りが聞える。
in the mood #110
宮崎県宮崎市の住宅
ソファのある玄関の視線の先にリビングそしてその先には庭。
庭に落ちる南の光が玄関のソファまで近寄ってきて誘われるように奥へ。
一面の開口部と薪ストーブと24の美術本が壁面を彩る。後ろを振り向くと大きな黒板。
天井に目を移すと木毛セメント板が程よく光を飲み込む。
木毛セメント板は2階の部屋の奥まで続く。その先の北の窓の外にも優しい光が待つ。
luzsol #050
宮崎県宮崎市の住宅
4LDKという間取りでありながら廊下ゼロなので同じ延床面積の住宅と比べると各部屋の面積が広い。
廊下に取られる分を各部屋に割り当ててるからである。
別に廊下が嫌いなわけではないが、いやむしろ好きな方だが、コストを落とす一つの方法として床面積を抑えるというのは常套手段であり、各部屋の要望された広さを実現させために廊下を削る案を考えまくった結果のプランである。
正方形のアウトラインの中に大きな正方形と小さな正方形と2つの長方形を上下階壁ラインを綺麗に揃えて納めてる。
大きな正方形はLDKであり小さな正方形は階段室であり2つの長方形はその他の部屋だ。
大きな正方形と小さな正方形が頂点で繋がる部分には、象徴的なデザインの開口を設けている。
その開口の壁厚が大きいのは、正方形の頂点の重なりの分である。
この頂点の重なりがこの廊下ゼロ住宅の平面の最大のギミックであったりする。
AYNIP #098
宮崎県宮崎市の住宅
この住宅の土地決定の最大の決めては、敷地の南東はす向かいに大きな公園があったことが全てと言っても過言ではありません。
プランはこの公園を最大限活用できるように、南東方向に大きく振って配置しています。
公園に対して大きな開口部を設け、公園をまるで庭のように取り込んでます。
施主のビートルズ好きにちなんで、名曲「All You Need Is Love(愛こそすべて)」を
若干乱暴ではありますが「All You Need Is Park(公園こそすべて)」に読み替えてその頭文字の羅列がこの住宅の名前になっています。
今回施主家族はご主人を中心に数週間の有給休暇を使って室内の壁すべてのしっくいを塗り上げました。
愛情のこもった住宅です。