平屋
triangle house #235
宮崎県宮崎市の住宅
土地を初めて見た時の感覚は「とにかく南に開くべきだ」と思った。
それは、南の方向には視界を遮るものがなく抜けが良好だったから。
しかし敷地はとにかく広い。
全室南向きのプランでスタディしてみたが、どうも敷地の残り方というか余白がただの残地、言葉はちょっとアレだが余りカスみたいな感じになったので
これはちょっと良くないないなってことで再考した。
三角形にたどり着いた経緯を言語化するのは難しいけど、端的にいうと「閃いた」である。
なぜ閃いたのかはわからない。
そういうのは一瞬なので、脳みその引き出しの奥にある集積したデータから抽出したのか、敷地の広さから逆算して「あ、いけるかも」となったのか、そんなところだ。
中庭型という計画手法の中で四角でも丸でもなく三角に落ち着いたのは、床面積からの逆算とパズルのような割り付けからピタリとハマったから。
アイレベル(人間の日常の視線)で見てもこの建築が三角形であることはわからないのだけど、中庭があることでそれは視覚化される。
視覚化されることが別段いいとは思わないけど、なんか住宅が正三角形ってテンション上がるよねってのはあると思う。
あと特筆すべきは外壁で使用した炭化コルク。
20年以上くらい前に何かの書籍で炭化コルクの建築を見たことがあり、その時も使ってみたいと思っていたが入手ルートに辿り着けず断念した。
そして今回時を経て入手ルートを見つけることが出来、実現に至った。
炭化コルクのいいところは検索してみるとたくさん出てくるので皆さんどうぞ。
Double Court House #208
宮崎県日向市の住宅
マテリアルのセレクトが抜群にいいクライアントとの共同作業のような住宅。
設計というよりもオペレーターに近い感じで携わらせてもらった感じ。
ポリカ波板の建具と木製ガラス建具に挟まれた半外部空間は、夏は断熱としてのバッファゾーン、冬は温室のような効果となる。
また、物干しや物置や用途は多岐にわたる便利な空間だ。これらも施主のたっての希望であった。
casa tresisla #222
宮崎県宮崎市の住宅(リノベーション)
既存住宅の主に内装だけのリノベーション。
例に漏れず天井をぶち抜いて切妻屋根の勾配と平行に新たな天井ラインを形成し、梁を現したリビング。
小屋裏空間を日常使いの空間に変え、遊び心を持たせている。
畳の小部屋を中心に回遊できる動線となっている。
Road Side House #209
宮崎県宮崎市の住宅
独特なカラーセンスを持ち合わせた施主と作り上げた住宅。
外壁はピンクだ。バラガンピンクに寄せたピンクだ。
室内も様々な色が織りなす。
幹線道路沿いなので道路側は完全にシャットアウト。窓ひとつない。
しかし外壁にはこだわりがる。予算の範囲内で何ができるか何が使えるか。何度も何度も考えた。
たどり着いたのは外装板を細かく切ったものをリズミカルに貼り付けるというもの。
そしてそれは内部空間でも繰り返される。
面積を最小限に抑えるために廊下ゼロの間取りだ。全ての個室の入口ドアがLDKのそのリズミカルな壁に並べてある。
ドアとわからぬように取手にもギミックを施してある。
LLOYDHOUSE #195
鹿児島県肝属郡東串良町の住宅
初めてお伺いした施主宅にはフランクロイドライトのタリアセンのフロアスタンドが置いてあった。
「私、ライトが大好きなの」
そこから家づくりがスタートした。
とはいえライトの建築なんて安易に模倣すれば大怪我すること間違いない。
陳腐なエセ建築になることは目に見えている。
だから形態を寄せるのではなく思想を意識しながら設計したつもりだ。
田園風景にのびやかな大屋根の組み合わせには嘘がないので、迷わずそのようにした。
その大屋根には天然スレートを合わせてみた。天然でも合成でもそこは関係ないのだけど、問題は選択する素材の理由が明確なのか否か。
住み手の人間性や環境と符合させるべく天然とした。これはライトのそれにも通ずるものがあると思ったからだ。
Remisawa house #197
宮崎県宮崎市の住宅(リノベーション)
「ここはパン工房ですか?」
「ここは温泉ですか?」
往来する方に時々そう聞かれたりするそうだ。
煙突のようなへんてこりんな突起物があるからだろう。
これは離れである。3帖ほどの小さな小さな離れである。
用途は限定していない。
某有名ハウスメーカーの住宅のリノベーションだった。
特殊な構造なのでどこでもここでもは壁を撤去することはできない。
注意しながら丁寧に進めた。
特に3部屋続き間を1部屋のLDKに変えた部分については、一般的な在来工法であれば垂れ壁を撤去しそこには梁が見えてくるのだが、
この住宅はそうではない。垂れ壁は構造体の一部であるので、撤去できない。
できないならば、それを逆手に取ったデザインにすればいい。
これがリノベーションの醍醐味だ。
意図していない要素が空間を特別なものに変える。偶然の出会いみたいなことだ。
偶然だからそこに理由もいらない。
南道路である敷地故に、南に掃き出し窓があるが、庭木がなくなったので視線を遮蔽するものがなくなり中が丸見えだ。
丸見えでもいいよっていう住み手ならばいいけど、それはなかなかない。
なので壁を張り巡らせてコートハウス型にした。
既存の1間間口の掃き出しの引き違いのサッシを木製の引き込みの型引き窓に変えた。
引き込まれると、室内からはそこには何もなくなる。内と外が一瞬で繋がり一体空間になるのだ。
入居後、コートのデッキ部分にテントを張って家キャンプをよくしていらっしゃる。
白い壁にプロジェクター投影してアウトドアシネマも楽しんでらっしゃる。
parallelogram house #168
大分県大分市の住宅
玄関のドアを開けるとそこは中庭なのである。
まるで宮殿のような住宅である。
しかしこの宮殿は1ルームの住宅なのだ。
一人暮らしなのか?否、4人ぐらし家族だ。
プライバシーはロールスクリーンで軽やかに仕切る。これで十分なのだ。
House curve #161
宮崎県都城市の住宅
外部のカタチがそのまま内部のカタチとして現れる、もしくはその逆も然り、そういう建築が好きだ。
今回はそれがわかりやすいプランだ。
ガレージの曲線の窪みがそのまま室内でも曲線として現れる。
どっちを先に決めたかは覚えていないが、諸々の設計条件がその線を生み出したのだと思う。
屋根を外して上からみるとUもしくはJの字型に近い平面形状の家である。
玄関から曲線壁沿いに進むとリビング→子供室→主寝室→書斎→洗面→脱衣風呂→そして終点トイレとなっている。
床も壁もラワンベニアの染色仕上げで統一、塗装のクオリティが非常に良かった。
リビングはオリジナルの大きな木製ガラス引き戸だ。
キッチンはコンクリート。
素材そのものの魅力をふんだんに使った内装とした。
npalazzo #148
宮崎県日南市の住宅
暑いのは平気です。だから居室は全て南向き、そして全てガラスがいいです。
というリクエストだった。
敷地は広いのだが南北に長く東西はそこまでではなかったので、どうすれば南面の表面積を確保することができるかを考えた。
居室はリビングを合わせて5つある。
当たり前に並べると敷地からはみ出してしまうので、個室だけは2層にした。それぞれの部屋にロフトを設けて1部屋に要する南面間口を縮めたということだ。
南側の廊下からそれぞれ入る。
出入口は間口いっぱいの両開きドアがある、普段は開けっぱなしにして、廊下も部屋の一部として取り込むイメージ。
屋根を支える梁はせいの大きな垂木を端から端までリズミカルに連続させて意匠に役立たせている。
House O #143
鹿児島県姶良市の住宅
周りは田畑が広がる雄大なロケーションに佇む家である。
抜けのある南側にLDKを並べて北側に個室を並べた。
オールステンレスのキッチンと白レンガタイルのリビングと染色したラワンベニアの壁とブラックフレームの窓という無骨な組み合わせのインテリアとした。
House Y #141
宮崎県宮崎市の住宅
綺麗なL字型平面の家である。
囲まれた庭には天然の芝。道路からの目隠しにはおあつらえの塀は設けずに、残土を利用した築山を築いて芝の山とした。
L字型のデッキ縁側には深い軒をめぐらせている。
なんて心地の良い居場所だろう。
F-style #038
宮崎県都城市の住宅
外に閉じて内に2つの中庭を持つ住宅である。
1つは室内床とフラットに続くアウトドアリビングのような大きな中庭、もう1つは物干しなど実用的な小さな中庭であり、
この2つの中庭が生活に彩りを与えている。
KIN HOUSE #012
宮崎県宮崎市の住宅
8匹のイングリッシュブルドッグのための中庭がある住宅。
ブルドッグが網戸に悪さをするので中庭に面する窓には網戸がない。
網戸がないのは設計側からすると楽だし嬉しい。
楽というのは網戸の制作範囲を検討せずにサッシュのサイズや割り付けを行えるからであり、嬉しいというのはズバリ美しく見えるから。
便利なものは往々にして美の邪魔をするものである。
網戸、エアコン、ソーラーパネル、換気扇、キーレスドア、引き込み盤などなど。
桂離宮や銀閣寺にもしこれらがあったらマイナスポイントになる。
しかし住宅は鑑賞するものではなく日々住むもの。美とか言ってられない。
しかしこのマイナスポイントはできるだけプラスに変えれるように工夫はしたいところ。
そういうことの集積が完成度を左右するので地味な作業だけどとても重要である。
話が逸れたが、この住宅の特徴は中庭をコの字型に囲んだコートハウス型であるが、屋根の高さをそれぞれの部屋の要望や外部の視線や日照条件に応じて高さを変えているところ。平面形状も直角だけで構成されていないので、水平方向も垂直方向も勾配があり、特徴的なフォルムとなった。